ジアミンアレルギーは意外と身近なアレルギーで、誰でも発症してしまう可能性があります。
これが怖いから白髪染めを躊躇してしまうという人も多いですよね。
目次
ジアミンアレルギーとは
2剤を混ぜ合わせて使うタイプのヘアカラーや白髪染めは1回でしっかり染まって色持ちがいいけど、ツーンとする刺激臭がしたり、頭皮がヒリヒリしたりしますよね。
これらは「永久染毛剤」といって、一般的にヘアカラーや白髪染めと言うと、この永久染毛剤のことを指します。
アルカリ剤でキューティクルをこじ開けて、髪の内部に入った染料が化学反応を起こして発色するという仕組みです。
髪の内部で発色するから色持ちがいいんですね。
このような永久染毛剤に使われる染料を「酸化染料」といいます。
この「酸化染料」が原因で起こるアレルギー性接触皮膚炎のことをジアミンアレルギーと言います。
ジアミンアレルギーを起こす酸化染料の具体的な成分名は?
「○○ジアミン」という名前のすべての成分にアレルギーが起きるわけではありません。
たとえば、次の成分はジアミンアレルギーとは関係ありません。
ジアミンアレルギーとは関係ない
- ニトロパフェニレンジアミン
- パラニトロオルトフェニレンジアミン
一方で、「○○ジアミン」という名称でなくても、ジアミンアレルギーを発症しやすい成分もあります。
以下は、主な酸化染料の成分名です。
主な酸化染料
- パラフェニレンジアミン
- 硫酸トルエン2,5-ジアミン
- パラアミノフェール
- オルトアミノフェール
- メタアミノフェール
- パラアミノオルトクレゾール
- 塩酸2,4-ジアミノフェノキシエタノール
- レゾルシン
このうち、上の3つが非常にアレルギー発症の報告例が多く、ジアミンアレルギーを引き起こす成分なんです。
要注意!ジアミンアレルギーを引き起こす成分
- パラフェニレンジアミン
- 硫酸トルエン2,5-ジアミン
- パラアミノフェール
「パラフェニレンジアミン」が代表的な成分なので、名前の末尾をとって一般的に「ジアミンアレルギー」と呼ばれますが、ジアミンがつかない「パラアミノフェール」もアレルギー発症が多い要注意の成分なんですよ。
これらをまとめて「ジアミン系染料」と言います。
もっと言えば、その他の酸化染料も、ジアミン系染料ほどではないものの、安全な成分とはいえません。
酸化染料、つまり永久染毛剤で髪を染めるときは頭皮へのダメージやアレルギーのリスクなど、それなりの覚悟が必要だと言えます。
かならずパッチテストをおこない、体調が悪いときや肌が荒れているときは染めるのを延期するなど、慎重におこなった方がいいですよ。
ジアミンアレルギーの症状
ジアミンアレルギーの症状は、たとえば次のようなものがあります。
ジアミンアレルギーの症状の例
- 頭皮がピリピリする
- 頭皮がかゆくなる、痛くなる
- 頭皮が赤くなる、ただれる
- 頭皮の湿疹、かさぶたができる
- 顔やまぶたがはれる
わたしはヘアカラーをすると必ず頭皮がピリピリして、翌日から頭皮がめちゃくちゃかゆくなります。これってジアミンアレルギーだったんですね。
怖いのでもうヘアカラーはしませんが、おしゃれのためにガマンしてしまう人も結構いますよね。
でもそれ、非常に危険です!
ジアミンアレルギーは、呼吸困難や嘔吐など重症化してアナフィラキシーショックを引き起こす場合もあるんです。
ジアミンアレルギーに効果的な市販薬はある?
アレルギーかも…と思ったら、早めに皮膚科を受診することが大切です。
ただ、なかなか時間がとれない場合はとりあえず市販の薬で対処することになるかと思います。
かぶれの症状がある場合は、通常の接触性皮膚炎の治療と同じように、ステロイド外用薬で症状をおさえることになります。
市販薬だとたとえば次のようなものがあります。
市販のステロイド外用薬
- ・興和新薬 リビメックスコーワ軟膏
- ・田辺製薬 フルコートf軟膏
- ・第一三共ヘルスケア ベトネベートN軟膏AS
ですがこれらの市販薬は、顔面には広範囲に使用しないようにと使用上の注意があります。他にもそれぞれの薬に注意書きがあるので、用法用量をきちんと守ってください。
また、かきむしると症状が悪化してしまうので、かゆくてたまらない場合は保冷剤で冷やしましょう。
市販薬はあくまでも自己判断での使用になりますので、重症な場合や症状が収まらない場合には必ず皮膚科を受診してくださいね。
もうジアミン系染料は使えない
これまで何度も白髪染めやヘアカラーをして一切アレルギー症状が出なかった人でも、ある日突然ジアミンアレルギーになる可能性があります。
そして、一度ジアミンアレルギーを起こすとその体質は二度と治ることはありません。
アレルギーに気付かなかった場合や症状が軽いからといって使用を続けると急激に症状が悪化する可能性もあります。
つまり、ピリピリしたりかゆくなったりして実はジアミンアレルギーを起こしているのに、繰り返しジアミン系染料を使い続けると、顔が赤くはれ上がったり全身がかぶれたり、最悪の場合呼吸困難を起こしたり…というリスクが高まるということです。
少しでもアレルギー反応があった場合は、もうジアミン系染料は使用してはいけません。
今後はジアミンが入っていないもので白髪を染めなくてはいけません。
ジアミンが入っていない白髪染め(ジアミンフリー、ノンジアミン)
ジアミン系染料が入っていない白髪染めの方法をいくつか紹介します。
ヘアマニキュア
ヘアマニキュアはイオン結合の力を利用してキューティクルを開くことなく、髪の表面だけを染める方法です。
ヘアマニキュアのメリットはトリートメント効果が高いので、ツヤツヤ・サラサラの髪に仕上がる点です。ヘアカラーほど髪を傷めないで済みます。
デメリットはシャンプーの度に色落ちするので色落ちが早いことです。
また、ヘアマニキュアはタール系色素を使用していて頭皮に色がつくと非常に落ちにくいという点も要注意です。サロンなら頭皮につかないよう上手に染めてくれますが、自分で染める場合は頭皮につかないようにするのは難しいと思います。
ヘナ
ヘナは植物染料になります。その葉に含まれるローソンという色素を利用して髪を染める方法です。
ヘナのメリットは植物染料なので髪や地肌に負担が少なく、一度色が入れば色落ちしにくくトリートメント効果もあります。
ですが、デメリットとしてオレンジっぽく染まってしまうことがあります。インディゴ染料をまぜて暗い色にすることも可能ですが、天然の成分なので美容師さんでも思ったような色に仕上げるのが難しいようです。
また、染めた後に数日間ヘナ独特の匂いが残ることや、染めるのに時間がかかるという点もデメリットです。
カラートリートメント
カラートリートメントはシャンプーのついでにトリートメント代わりに簡単に髪を染められるもので、いま非常に人気があります。
安全性の高い染料と天然成分を中心として作られているので髪や頭皮に刺激がなく安心して使用できます。
デメリットは髪質によっては色が入りにくい場合もあり、一度でしっかりと白髪染めをすることは出来ないことです。
最初は3~5日続けて使い、その後も週に1回程度繰り返し使う必要があります。
ただ、最近は1回でよく染まるものも出ているので、わたし的にはカラートリートメントが一番おすすめです!